介護保険事業、障害福祉事業の経営コンサルティングを行っています。
老人福祉、障害者福祉の分野におきましては、規制緩和等により民間参入が盛んにおこなわれるように なってきました。 老人福祉に関しては、特に介護保険制度以前の措置制度と大きく様変わりをしています。
もちろん、良くなった面だけではありません。悪くなった面もあると感じています。 経営側の視点から悪くなった点といえば、今後さらなる社会保障費の増加によって、経営の合理化が不可避であり、 しっかりとした経営戦略とサービスを中心とした経営資源の投下が必要となってきたことがあげられます。
しかしながら、私が業界に約10年身を置き、措置から介護保険の変化を現場でリアルに体感してきた経験の中で ヒシヒシと感じたことは、業界で経営的なマネジメントができる人材の育成は極めて難しいということです。
その理由はずばり「人を育てる」意思と「スキルを身につける業務」がない(与えない)ことだと考えています。 さらにそれに拍車をかけるように「人件費(給与)」が整ってないことが挙げられます。そもそも福祉業界で「事務職」 というのは、ストレートに解釈すればルーチンワーク(いわゆる事務処理をこなすだけ)の職業です。
「それだけでは物足りない」「もっと外に出た仕事がしたい」「定型業務より企画立案の業務がやりたい」と考える 数奇な方しか成長しないと言えます。
もっとも、求める側(経営者)からしても「事務職」は”こんなもん”であり、当の本人も”こんなもん”で満足 していたりします。結局のところ、新規事業立上げなどで核になって動いてくれる人材は外部で調達することになります。